
夏の終わりのヨーヨー
いつもお世話になっているカフェが、先週、店先で小さな縁日をしていた。
そこで、ずいぶん久しぶりにヨーヨー釣りをした。もう二十年ぶりとかじゃないだろうか…歳とったなぁ。
ぱしゃんぱしゃん。ぱしゃんぱしゃん。
童心にかえって、指にゴムをひっかけてヨーヨーで遊ぶ。
ちょっと照れくさくて笑ってしまう。もういい歳なのに。
それはそうと、ヨーヨーを浮かべたこの金たらい、店主のご実家から持ってきたという。
昔は、これでお母さまが洗濯していたんだって。
最近のヨーヨー釣りは子供用のプールに浮かんでいることが多いけれど、それに比べるととても情緒がある。
昔使っていた生活道具が残っているって素敵だと思う。
私は小学生の頃、昔の道具を間近に見てとても驚いたことがある。
田んぼも畑もあって、鶏も蚕も飼っていた農家の祖父母の家には、大きな蔵があった。
そこに、教科書で勉強し、まさにテストに向けて暗記したものが置いてあったのだ。
唐箕 (とうみ)
ぴんとこないと思うけれど、画像を見れば思いだしてくれるんじゃないだろうか。
脱穀した籾を風の力で選別する道具。大正時代、米農家で活躍した。
教科書に載っていることは、今の生活と地続きになっているんだなと子供心に驚いた思い出である。
そうだ。子供の頃は、お米は店で買ってくるものじゃなくて、祖父母の家から頂いてくるものだった。
あの大きな米袋で。