自分はいつもあなたを見守っているよ
子供の頃に言われたことで覚えている言葉がある。
小学生の時に、校長先生のお話しで聞いた言葉だ。
誰も見ていないとしても、自分とお天道様は見ている。
こんな言葉だった。
小学生への言葉だから、何か悪さをしようとする場面を想定している。
大人になっても、時々この言葉を思いだす。
ちょっとしたことでも、見てみぬふりをしようとかそんな時に、いやいや、と足を止めさせるのだ。
この本を読んでいて、この言葉を思いだした。
というのも、すぐのページにこう出てきたからだ。
-どんなものでも、おまえからかくれたり、おまえが通りすぎるのをじっと待っていたりはしない。だからこの世の何に対しても、おまえは礼儀正しくふるまわなくてはならないのだよ。
すぐに読めてしまう本なのに、はっとする言葉ばかりだ。
マイケル・ドリス 灰谷健次郎:訳
「朝の少女」(1997、新潮文庫)