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やさしく扱わなくちゃだめだよと言って

自分のお雛様を、もう随分と見ていない。
そんな歳でもないだろうというのは逆で、歳を重ねたからこそ顔が見たい気持ちになる。



晴れた日に、母と一緒に飾っては、しまった。
一年に一度しか飾らないから、いろいろと忘れていることも多くて。
並び順はどうだったかとか、まるでパズルみたいにして箱におさめなければならない小道具たちを、ああでもないこうでもないと言いながら二人で過ごしていた。


家の男子たちはけして入ってこない、そんな時間だ。