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春が近づいていると獣が思う

葉を落とした並木をふと見上げて、そこにあたたかな日差しが当たっているのを見た。
風は冷たいけれど、けれど、桜が咲いた風景を思いだした。



毎年、見事な桜並木になるのだ。
夏以降は、これっぽっちも桜のことを思いださない。
冬の間もちらりとも思わなかった。



けれど、ふと思ったのだ。
少し春を思いだしたのかもしれない。