起きなさいと呼ばれることも、ご飯だよと呼ばれることも、分かっていながら待っていた
人と話していて気付く。
ありがたいことに、自分は家が好きだった。
休みの日に自室で過ごしていても、三時頃になると自然と居間に集まったりする。
階下で、母が動き出す音がする。
台所に立ち、やかんに水をいれて火にかける。
マグカップを用意する音がする。
戸棚を開ける音がする。
時計見れば三時だ。
いそいそと下に降りていく。
台所に立つ母が、珈琲いる?と聞いてくる。
遅れて弟が下りてくる。
同じ質問が繰り返される。
集まったとして、会話らしい会話をしないこともある。
読みかけの本を持ちこむことも多い。
それでも、別に不自然なことはない。
そんなふうに、休みはよく過ごしていた。