コラム 顔を隠して街を歩きたい 別の何者かになりたくなることもある。眼鏡はそれに一役買ってくれるかもしれない。人生で初めて眼鏡をかけたのは小学生の高学年だったように思う。それまでよかった視力が急激におちて、授業中は眼鏡がないと困るようになった。その時の、初めて眼鏡をかけた日、どきどきしていたことは覚えている。それは、なんて言われるんだろうという怖れの方が勝っていた。子供だったから。何者にもなりたくなかった。大人になって、眼鏡を選ぶことで何者かになりたいと願っている。 2019年10月23日 1 0 日々のこと