コラム あの日、彼らはどこにいたのだろう、その飛べる体で ここにもかつて津波が押し寄せたのだ。そんな思いで、湾の前に立った。近くまで来たのだからと足を伸ばしたが、本当は、胸の底では思っていた。たどり着くと、のんびりとした空気が流れ、カモメがさかんに飛んでいく。国宝のお寺は津波被害からまぬがれたが、参道の杉並木の三分の一が塩害で枯れたとあとから知った。何気なく見ていた杉並木は、本当はもっとたくさんあったのだろう。 2019年10月8日 1 0 日々のこと