
おもしろいもの。好きなもの。
彼女は子供の頃、訪れたモンゴルで見た移動式住居のゲルが、とてもおもしろいと思ったのだという。
そして今、建築士の資格を持ち街づくりの仕事をしている。
モンゴルの広い空と見渡す限りの草原に、ぽつりぽつりと浮かぶ白いテントのような家。
まるで海に浮かぶ船のようでもある。
私は、本好きの母親の影響で、子供の頃から本が好きで図書館に入り浸っていた。
自分の背よりはるかに高い本棚が四方の壁にはりつき、林のように立つ本棚は、静かな森だった。
子供の時の体験が、学校の進路を選ばせ今の仕事に繋がっている彼女の話は、とても素敵だなと思う。
いつしか自分も図書館で働きたいと思っていた私は、残念ながら本に携わる仕事はしていないけれど、今、お米やで本を並べている。
お米やの本棚に、お母さんと手を繋いで近づいてくる小さな子は、これから、いったいどんなおもしろいもの、好きなものを見つけるんだろう。
九月の毎週土曜日。
第二回戸越八幡神社一箱古本市のサテライト古本市。