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あの橋をこえていけばどこかにたどり着くだろうか

一瞬の虹を見た。



台風が近づいてきている不穏な空の向こうに、本当に切れ端みたいな虹だった。
だから、「虹が出てますよ」と先輩に言った時には、「え、ないよ」と言われてしまうくらい、一瞬の虹だった。



都合がいいかもしれないが、自分のために秘密のように現れた虹だった。