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むかし自分でつくった彼が会いにきたような

子供のころ、段ボールやらストローやらで作り上げたようなロボットが突然、家の庭にいたらどう思うだろう。



家事をしてくれるアンドロイドが一般家庭にも普通にいるような時代に、見るからに旧式のロボットがいたら。
やっぱり、やっかいだなと思うかもしれない。
けれど、とにかくそのロボットは愛らしいのだ。



本当は頭がいいのに、それを隠しているようなところがある。
そのくせ、子供のように、あれがなにこれはなにと、世界の知らないことに興味深々なのも本当だ。



とにかく、このロボットがかわいくて仕方がなくなってくる。
最初は彼にてこずっていた主人公も、そんな彼をどんどん大切にしていく。
そこにはロボットだから、という垣根はない。



タングに、どうか会ってみてほしい。




デボラ・インストール 松原葉子)訳 「ロボット・イン・ザ・ガーデン」
(2016、小学館文庫)