
形も大きさも海苔の巻き方もぜんぶ違う
便利な世の世の中なんだろう。
最近おにぎりを食べた記憶を探れば、コンビニだ、と言う人はきっと多い。
そのおにぎりは機械的なおにぎりだ。もちろん冷たい。
それに慣れてしまっている自分を知っている。
でも、おにぎりと言えば、母親がにぎってくれたものだった。
水を細く出しっぱなしにして、炊きたてのご飯を塩をつけてにぎっていた。
熱くないのと聞くと、熱いけど慣れてるからと答える。
子供の頃、横から見ていてそれは熱いに違いないと思うことを平気な顔でしてい印象が強い。
平気そうだからそんなに熱くないのかと思ったら間違いで、自分でやってみたら想像以上に熱くてびっくりした。
いつか自分も熱くても平気だと言う大人になるのかと思っていたのに、残念ながら上手ににぎれないのだった。
おにぎりは炊きたてのご飯というだけでおいしい。
そのお米も塩も海苔も特別だったら、もっとおいしい。
シンプルに、単純に、なんでこんなにおいしいんだと驚く。
手を変え品を変え、様々な具材や種類のおにぎりが並ぶ店頭を前に、けっきょくはこれに勝るものはないのだと思う。