性格が真逆の二人がやってきた
なにか、自分の手助けを必要としているものと過ごす。
なにか、生み出すものと過ごす。
毎日、なにをしたらいいのか迷い気味の自分に、じゃあ植物を育ててみたらどうだと言って、彼女はカフェラテを飲みほして、じゃあ早速行こうかと席を立った。
思えば、花屋が多い。
ちょっと思いだしただけで、近所の商店街には花屋が3軒あった。
本当は、いつか部屋に緑が欲しいと思っていたのだ。
けれど、なんでも順を追ってやりがちな自分は、まず緑を置くスペースを確保しなければならない、なにを育てるか調べてからじゃないといけないとして、踏み出せずにいた。
それを彼女は、はい行くよと言って引っ張る。
結果、大きい子と小さい子を持ち帰った。
大きい子は、店で目に入った時から「がじゅまる君」と呼んでいた。
名前をつけるのはいい兆候だねと彼女は笑って、小さい子の方が「初恋」という名前であることが後から判明して、ますます笑った。