
太陽から逃げてきた先で出会った人との会話はいつの時代も弾むかも
5月とは思えないような暑さだ。
季節の設定を間違えてしまったみたいな。
光化学スモッグ注意報が流れていた。
夏休みになるとよく聞いたアナウンスだった。
日傘を差すことに抵抗がなくなったのは、歳をとったからだろうか。
自分で決めつけていた、自分のキャラじゃないという理由で敬遠してたのに、いつの間にかそれがなくなった。
あれは日焼けを気にする女子が差すものだと思っていたけれど、単純に日陰が楽なことに気づいた。
そして、それと同じ原理が起こる神社だ。
ぐるりと囲む木立はどれも背高で、遠くからでもよく見える。
それが作りだす木陰は、真っ白になるくらい日が照り付ける道路から参道を覗くと、真っ暗だなと思うほどだ。
黒々とした木立の参道に入ると、すっと気温が一度も二度も下がったように感じられる。
なにより、ほっとする。
エアコンががんがんに効いた部屋から感じるものとは違う、心の底から自然と沸き起こる安心感だ。
きっとこれは、ずっと昔に生きていた人達と通じ合える気持ちに違いない。