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人にだけではなくて自分にも謝ることはあるんじゃないかな

昨日、仕事の定時になった途端、ひどく気持ち悪くなった。
横になりたくて仕方がなかったので、帰ってベッドに転がった。

 

 

そのまま寝てしまおうかという気持ちだったけれど、定時で帰ったのであまりに早い。
習い性で少し食べてはみたが、やはり気持ち悪かったのでやめた。ごろごろしてからお風呂に入って、いつもより相当早く寝た。
ほとんど何も食べずに寝て、次の朝も水分だけとった。

 

それでわかったことは、体がもう食べないでと悲鳴をあげたのだ、ということだった。

 

 

 

その日の数日前から、ひどい食べ方をしていた。
食べても食べても満腹感がえられず、気持ち悪くなるまで食べる、ということを繰り返していた。
食べなくても空腹感はなく、今、やっといつもどおりに戻って、昨日の夜のあの気持ち悪さはいったいなんだったのだと不思議に思うほどだ。

 

 

本当に、体からの悲鳴だったのだなと思う。思わず、自分の体に謝ってしまった。
原因は仕事上のストレスである。よくある話。

 

 

 

でも、そのことはこの本で前から知っていた。
自分の体の声に耳をすますのは大切なことで、また、その仕事上のストレスの原因も、実は以前に自分がしてしまったよくないことが返ってきてるだけなのだということも、この本では言っている。
本当にそうだなと思って、昨日の夜も気持ち悪さでうめきながら読み返した。

 

 

残念ながら思い当たることがあったので、過ぎ去るまで耐えるしかないと思えた。
自分も人にこんなことをしてしまったのだから、仕方がないのだ、と思えば耐えられるような気がした。

 

 

そして、あんなに苦しかった夜を過ぎてみると、あいかわらずの仕事場でありながらも、そこには驚くほど優しい人もいて、そのおかげで今夜の自分は昨夜と比べて驚くほどけろりとしている。
受け入れようと思うだけでも、体に謝るだけでも違ってくるのかもしれない。だって、食べなかったことぐらいしかしていない。

 

 

 

受け入れようとは思っても、それでもやはりネガティブな気持ちは沸き起こるけれど。
毎日、生活していくうえでの知恵だ。
うまく要領よく世の中を生きて勝ち組にならなきゃいけないとか、そういうことではなくて、できるだけ気持ちよく。
それだけでいいのに、それが難しい世の中だ。

 

 

 

服部みれい 「わたしの中の自然に目覚めて生きるのです -あたらしい暮らしのちいさな魔法」
(2014、筑摩書房)