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自分でも気づかないうちに背中を見て育っている

母は、こういった日には、テレビで追悼式典を必ず見ていた。
子供の頃の自分は、もっと言えば成人ても、いったいこれのどこがおもしろいのだろうと思いながら、それを後ろから眺めていた。

 

 

 

今だったら、もし今日が休みであったなら、テレビをまわしただろう。
その背中を見て育ったから。

 

 

数年前までは、仕事場のビルでも黙祷の時間が設けられていたのに、もう今年はやらないようだった。
デスクにいたくなかったので、エントランスに逃げた。

 

 

人はまばらだ。コンビニからはキャンペーンの放送が聞こえてくる。
それは、ある意味、平和の証でもある。
時計とにらめっこして、喧噪の中で静かに過ごした。

 

 

こうやって仕事ができていることは、ありがたいことなのだ。
よく忘れてしまうけれど。

 

 

 

 

2011.3.11 14:46 東日本大震災