Top

きちんと毎年暮らそうとしている証の一つとして

指先がぱっくりと割れてしまって、手を洗おうとする度に、ひやひやする。

 

 

 

そんなあかぎれを見るたびに母を思い出す。
よく、台所に立つ母は痛がっていた。
それをろくに荒れていない手をした自分は聞いていた。

 

 

 

一人暮らしを始めた初めての冬、初めてその痛さが分かった。

 

 

毎年、飽きもせず思う。
例えば繊細な赤ちゃんなんか、こんな手で触ったらいい迷惑だろうなぁと思いながら、毎年、飽きもせず思う。