Top

赤に生まれかわり、そして姿を消していく前の一瞬

夜、と呼ぶ時分には早い時間に、既に窓の外は夜の様相を呈すようになって暫く経つ。

 

その夜の中にあっても、その赤は目を引く。
帰り道、昼間に見た赤に目を細めるのと同じように、ああ、赤い、と頭の片隅に必ずといっていいほど差す。

ことさら意識せずとも、赤は陽の光を弾き、陰の中では存在を主張するのだろうか。
紅葉というものは。