寂しいと言いながら一人になりたい矛盾
こんな都会の真ん中で、一人になれる場所が欲しいと思うのは、無理な話なのだろうか。
好きな場所に行きたい、と考えた時に近い場所で思いつかないことに、軽く愕然とした。
もちろん好きなお店はあるし、好きな公園もないわけではないが、「好きな場所」とは少し違う。
どこに出かけても人であふれている。一人にはなれない。
一人になりたいなら家でいいじゃないかと思われるが、家では駄目なのだ。
残念ながら、この狭い居住スペースは生活の色が濃すぎて、一人になれそうでなれない。
本気で望むなら山にでも行ってしまえばいいのだろうが、現実的ではない。
考え考え、浮かんだのは生まれ育った場所だった。
なんてことはない、実家の目の前の田んぼに行きたいと思った。
左右に見渡すばかりの田んぼが広がり、赤い鉄塔が立ち、空が広いあの場所。
今週末、ちょっと帰ろうかと思った。