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振り返れば冬が好きなんだと思う

紙媒体の本を愛する理由に、その装丁の美しさがある。
この本は、まさにその部類に入る。

 

 

それもそのはず。
この本の出版社は、装丁を大事に、それこそ愛を注いでいるのだから。

 

 

雪が降る中を、かまわずに本を読み続けている。
濡れてしまったらどうするんだ、なんて現実的なことは言わないでおいて、そんな中でも読むのを止められないのだという姿がほほえましい。

 

冬、本読みの悩みとして手袋の問題を抱えているのは私だけだろうか。
電車に乗って本を読もうとしても、やはり手袋をつけたままだと頁を手繰りにくい。
かといって、指先が冷えるので本当は外したくない。なんてジレンマを抱える。

 

 

タイトルにあるとおり、「冬の本」だ。
そう聞いて、自由に発想して、たくさんの人に書かれた本。小さくて、誰かに贈りたくなるような本だ。

 

 

本を閉じて、しばらく自分だったら、と空想を巡らせてみたのだが、ぱっと思いつく本がなかった。
この本の中に登場した本も、何冊か覚えはあったのだが、自分の一冊には遠かった。
そうやって一年ぐらいしまっておいたのだが、やはり出てこない。
この冬に見つかったら、それもいいなと思っている。

 

 

 

「冬の本」
(2012、夏葉社)

 

 

 

立冬