食事を考え始めたら、自然と母親の料理につながる
本の中に、こんなエピソードがある。
著者の友達が、「落ち込んだ日は、料理の本を読む」というものだ。
読みながら、著者と一緒に「わかるっ」と頷いていた。
本の中で、なんの本が一番わくわくするかと言えば、実はレシピ本だったりする。
この美味しそうな写真の料理は、こんな簡単に作れるのか!と、今度作りたい料理をリストアップしてはにやにやしてしまう。
メモ帳に必要なものを書いてスーパーに行く。元気そのものだ。
食事は元気のもとだと思う。
また、過食や拒食にも触れているが、それをちゃんと肯定してくれている。
無理にやめる必要はないのだと。そうなってしまっているのは、そうすることでバランスをとっているのだと。
責めるばかりではなく、その自分を許してあげて、本当に必要なのはその原因に少しずつ耳を傾けていくことだと。
拒食とまではいかないが、食べても食べても止まらない時期があった。
原因は分かっているのだけれど、やめられなかった時期。
それでバランスをとっているんだよと、自分を守ってあげてと言われ、ほっとした。
今では落ち着いてきている。それはやっぱり、原因が多少なりとも解消されたからだ。
食事は体だけのもではない。心のための部分も、とても大きいものだと思う。
食べることについて、最近はよく考えるようになっている。
自分は何を食べたいのか、食べたものが自分の一部になるのなら、どう食べたいか。
食べ物はすぐに消えてしまうから軽く考えがちだが、それが体の一部になるのだから、何よりも消えていかないものなのだから。
服部みれい 「あたらしい食のABC」
(2012、WAVE出版)