
もちろん好きな人と食べるご飯ほど美味しいものはない
随分と小さい子もいた。
家族なんだろうか、群れのみんなで同じ方向を向いていた。
同じ方向を向いて、同じことをしていた。おそらく、食事中である。
彼らはたぶん、そんなことは意識にないのかもしれない。いや、あるのかもしれない。
それは分からないけれど、私はなんとなく違和感があって変な気持ちになった。
もし私だったら、その集まりから離れて一人で食事を始めそうだ。
みんな同じ方向を向いて同じことをするのが苦手だ。
よくよく、自分は集団になじめない。
本が好きで、それは一人遊びが得意というのと似ている気がする。
本が好きな人達と関わるようになると、自分と似たような人が多くてほっとした。
だから、自分を責めないでいられる。
こんなに平和で可愛らしい光景を見ながら、空恐ろしいものを感じる自分に驚いた。
群れの中で生きていくのは、時に苦しい。
苦しそうにしていない人も、もしかしたら苦しいと感じることがあるのかもしれない。
そんな想像を忘れないようにしたい。
と、常々思ったりもする。