背中だとしても、決して間違えたりしない背中がある
当たり前のことのように感じてしまうが、それはとても尊いことだ。
一週間戦って、人は束の間の休みを迎える。
そんな時、あのお店の美味しいものが食べたい、あのお店のお気に入りの席に座ってお茶がしたい。
そうやって、一週間の疲れを癒しに街に出る。
いつもどおり、そのお店は開いていて、
いつもどおり、顔なじみの店員さんが働いている背中を見つける。
それは、なんてすごいことだ。自分が休みの時に、お店を開いて働いている。
もちろん、自分が働いている時に休んでいるのだ。それは分かる。
けれど自分にとって、いつもどおりお店が開いていることは、本当に、ひとつのよすがのように思う。
いつもどおりの街。
それを人は忘れてしまいがちで、壊れてから全てのことを思い出す。
暮らしの中の当たり前は、尊い。