目の間に出された瞬間、綺麗だなぁ、と口をついてでた。

黒い色のゼリーは、よくある珈琲ゼリーではない。
もっと、黒曜石みたいに光る黒色、仙草ゼリーだ。

暑気あたりに効果がありようで、台湾などではポピュラーなデザートみたいだ。

また、織姫が地上におりてきたときに持参して、鳳凰山に植えた草という伝説もあるらしい。
私なんかは、そちらに興味が惹かれる。

そういえば子供の頃、私は薬を飲むのがとても苦手で、お医者さんが漢方に切り替えてくれたことあった。
（苦味とかではなく飲みこむのが苦手で、恥ずかしながら大人になってもカプセルは未だに飲めない）
子供にとっては苦くてたまらなかったが、不思議なもので段々と平気になっていった。

なんだかよくわからない粉よりも、薬草のほうが私には頼もしく思えた記憶だ。