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部屋の隅にいれば大人の声は遠のく

仕事帰り、買い物に出かけて小さな子が多いことに驚く。
そして、気付く。彼らは夏休みだった。

 

夏休みになると、祖父母の家に遊びに行って一週間ほど滞在した。
そんな、おばあちゃん家みたいな古い家の古本市に、中学生の姉弟が隅っこでおとなしくしていた。
親に連れられて、親の用事が終わるまで待っているようだった。

 

その姉弟はおとなしい姉弟らしく、大人たちに囲まれて、部屋の隅で、黙々と本を読んでいた。
その姿を見て、思いだした。まるで昔の自分みたいだ。

 

 

弟や従妹がいれば、一緒に遊んだ。花札も坊主めくりも、そこで覚えた。
けれど子供は自分一人で、大人ばかりになった時、私もその姉弟のように部屋の隅で膝を小さく折って本を読んでいたなぁと。
図書館で借りた本を、持っていっていたなぁ、と。

 

 

昔も今も、変わらない。
懐かしい夏休み。