砂浜を振り返り、ひとつではない足跡に笑み崩れる
ビーチコーミング。
という単語を初めて知った。
シーグラスで作ったアクセサリーなどは知っていたが、その拾ったりする行為の名称は知らなかった。
何しろ、海なし山なし県で育ったため、砂浜を歩くということに縁がない。
泳ぐのも苦手だから、ますます遠ざかる。
彼女がビーチコーミング好きで、付き合ってるうちに色々覚えました。
と、彼は言っていた。
面白いもので、そうやって意識して砂浜を歩いていると、気付くことがたくさんあります。
砂浜だけじゃなくて、どこでもなんでも拾ってくるんですよね。あの、まつぼっくりとか、すごくないですか?
と目で示すのは、果たしてびっくりするぐらい大きなまつぼっくりだ。
意識するとしないとでは、世界の見方は一変する。
隣を歩く人と同じ目線で世界を見ることができたなら。