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やぁやぁよく来たね。元気かい?

いい顔をしているな、といつも思う。

 

一箱古本市で知り合った彼女が働いている、古本屋さんの玄関を守っている彼である。
お客さんを一番に出迎え、最後に見送ってくれる。
訪れるたびに、やぁ、と言ってしまいたくなる。

 

 

そこで働く彼女は、毎日シフトが入っているわけではない。
けれど、私が訪れた時にいなかったことが、まだ一度もない。
今日はいるかな?と棚を眺めるふりをしながら毎回お店の奥を覗くのだけれど、いつも彼女が店番に立っている。

 

小柄な彼女は眼鏡の奥の目を丸くしてこちらに気付くと、いつも手を振ってくれる。
お元気ですか?、とついつい立ち話だ。
それが楽しい。