象の背に乗ったら、世界は何色に見える
緑色の象。
この世にはいないもの。
太陽は赤。空は青。地面は茶色。
太陽は赤いなんて、いつそんなふうに思うのだろう。
だって、晴れた日、空を見上げて見える太陽は赤くなんかない。
眩しくて直視なんかできないけれど、赤くないことぐらいは分かる。白に近い。
それなのに、子供の時分は、絶対に太陽を赤のクレヨンで描いている。空は青色に塗っている。
象は緑色でなんか塗らなかった。緑色じゃないから。そのとおりだ。
でも、じゃあ、なんで太陽は赤で塗ったの?
太陽は赤色っでしょ?って、横で誰か、大人が言ったの?
それとも、赤で塗らなきゃいけないって、私は世間から感じ取ってしまったの?
本当は、象も緑で塗ってみたくはなかったの?
くっきりと二色にわかれたキウイのシロップのソーダ割りをストローで混ぜながら、世間はそれをよしとしないんだろうなと思う。
それは、くっきりとしている。