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眩しくて目がちかちかする。見ていられない。

眩しいな。
と思った。

 

この連休はとてもいい天気で、風がさわやかで、花の傍らでこの天気を謳歌している子供達と、その親達の姿は、眩しい。
なんて言えばいいのだろう。

 

正しい。
そう思った。

 

あるべき姿だ。

 

 

 

裏道を通ると、まるくてふっくらとした猫が夕涼みをしていた。
いつもなら足を止めたりはしないのだが、なんとなく構ってほしくなってしまい、私は手を伸ばせば届くぎりぎりのところでしゃがんだ。

 

彼は、こちらに関心を示さず、かといって慣れているのか立ち去らず、私はしばらく彼をみつめていた。
少しでいいから、あたたかなものに触れたかった。
それが伝わったのかもしれない。

 

しょうがないな、と言いたげに立ち上がると一声鳴いて、私の膝に体をこすりつけた。
背を向けた彼は、何かをねだる素振りなんて微塵もなく、ほら撫でさせてやるよと背中を差し出しているように見えた。

 

優しいね。
そう口をついて出た。

 

撫でると、しっかりとした毛並みと、その下の背骨を感じた。
あたたかな、生きている体に触れて私は少し立ち直った。

 

 

 

振り返ると、彼はやっぱり背中を向けていた。