ブックストリートの始まり
初夏のような陽気だった。
外を歩いていると汗ばむ。半袖でちょうどいいくらいだ。
けれど、爽やかだ。風が、五月だ。
今日の谷根千は、いつもの休日通り人であふれている。
けれど、たぶんいつもと少し違う。
本が好きな人たちが、たくさんいる。
全国から集まってきている。
重い鞄をよっこらと抱えて、けれどほくほく顔で、
暑いと言いながら、まだまだ歩く。
ぺたりと座って、重い鞄を膝において、爽やかな風の中で珈琲を飲みながら、
本が好きでたまらない、という顔の人たちを眺めている。
それは、とても幸福だった。
不忍ブックストリート 第二十回 一箱古本市
2018年4月29日