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手から逃げたコップが華奢な音を立てる

彼女は、帰ったら二人ぶんの夕ご飯を用意して、洗濯して、大変だわ!という顔をしながらも、幸福感がにじみ出ている。

 

 

私は彼女の顔が見られずに、そうかそうか、と黙って頷いた。

 

例えば、うちの食器類は一つずつしかない。

 

コップだけは割れた時に困るので、同じものをもう一つストックしている。

 

そんな話。