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いい加減に青い色は卒業したい

いい天気だった。春だった。

 

燦々というのが似合うような太陽の光を浴びる果物を見ていると、こうあるべくしてあるのだ、という気がしてくる。
太陽の恵みを受けて、美しく色づき、甘く熟す。

 

人間だって、そう遠からず。
天気がよければ自然と明るくなって外に出たくなる。
内にこもらず、外に外に開いていけば、何か一つでも自分の身に降り積もるものがあるだろう。

 

そう分かっていても、帰り道、日向から日陰の道に変わると、途端に弱気になる。
何度も何度も、行ったり来たり。
あの果物たちの彩色が羨ましい。