都会にも意外と森が多くて驚いた
植物は二酸化炭素で光合成をする。
学校で習った。もちろん知っている。
でも、風が吹いて自分の体に当たらないと、空気の中の二酸化炭素を取り込むことができない。
驚いた!この歳になるまで、全然知らなかった。
人間は息を吸うことで酸素を取りこめるのと同じ。そうか。
そして、風を自分で吹かせために、葉への切り込みが深くなっていったという。
まさか、葉にそんな秘密があったとは知らなかった。
人間だって、その体には信じられないくらいの神秘で満ちている。
木は人間と違って動かないが、驚くほど必死に子孫を残そうとしているのだ。
「森」と「林」の違いを語源でといているが、その違いに私は慄然とした。
こんなに人間が住む街に見えても、再び「森」にかえっていく。
その力強さ。ほっとした。
明日から、下を向いて街を歩いてしまうだろう。
もしかしたら、木の赤ちゃんが実はそこにいるのかもしれない。
そう考えたら、わくわくしてしまう。
三浦豊 「木のみかた 街を歩こう、森へ行こう」
(ミシマ社、2017)