切手シートが当たった。嬉しい。
一等は別にいい。
それより、特別な切手が欲しかった。
年賀状が投函される音というのは不思議と聞こえるもので、子供の時分はその音で郵便受けを見に行ったものだ。
仕分けも率先してやったものだが、ほとんど父宛の中から自分の名前を見つけると嬉しかった。
父は祖父譲りのコレクター気質があったから、一等よりも切手シートのほうが俄然欲しがって、当たると嬉しがっていた。
年々出す数が減る中まさか両手の指ほども貰ってないのに当たるとは思えず、現に当たらない年を過ごしてきたが、当たった。
今度、父に報告しよう。