
柴犬に家を守ってもらうことにした
我が家は、初詣に情熱を示さない。
松の内くらいに、各々で行けばいい方じゃないかと思う。
母が一番、腰が重い。
それでも、日本三大奇勝の山の下で育ったため、若い頃は紅白を見終わると、いとこ達と山道を登って行ったものだという。
父は、家族の中では一番行きたがる人だ。
子供の頃は、率先して家族を連れていってくれたものだ。
年始の挨拶に自分の実家に帰省するときに、途中で有名な神社に寄ろうとする。それが、毎回違う場所だ。
有名なせいで、大概は駐車場に停められないほど混んでおり、家族のひんしゅくを買う。
それでも、破魔矢は家の近くの小さな神社で買う。
リビングに破魔矢が飾ってあるのを、私は見て育った。
家を出て、正月を実家で過ごし、都内に戻ってきて。
私はなんとなく、近くの地元の小さな神社に向かった。
ないと、なんとなく落ち着かない気がしたのだ。
破魔矢を買うことは、父を見て覚えた。