めでたいことを感謝しながらお祝いする
朝、街に出ると、街は年の瀬の準備で賑わっていた。
湯気が出ているなと近づくと、いつもお米を買っている精米店の店先で、作りたての伸し餅が並んでいた。
いつも並んでいるお結びや惣菜はなく、年越しの風景に主婦たちは忙しい。
お寺だろうか、社務所の前をのぞくと、数人が顔を突き合わせてお餅を丸めていた。おそらく、鏡餅。
そんな、風が冷たい街の中を彼女はクロスバイクに乗って颯爽と現れた。
いつもニコニコと明るいエネルギーを放っている彼女だが、久しぶりに会う彼女は、さらにそのエネルギーを増しているような気がした。
話を聞けば、思ったとおり。
羨ましいなぁと思う反面、ちゃんと、めでたいなぁと思える自分にほっとする。
年の瀬に嬉しい便りが聞けて、こちらまで嬉しい。
これまた颯爽と帰って行く彼女の背を見送りながら、さて私も!と背が伸びる。
来年の私は、きっと一人ではない。