おばあちゃんが作ってくれたカレーも思いだす
カレーほど、その家のカラーが出るものもないかもしれない。
うちのカレーは、父親好みにカスタマイズされた。
父は甘いカレーをよしとせず、娘と息子(私たち姉弟)が子供の頃から、おかまいなしに辛めのカレーだった。らしい。
それで育てられたせいか、私は給食の甘いカレーが物足りなかった。
肉は豚のコマ切れ。
母は肉があまり好きではないが、入れないと味が足りないので入れる。肉はほとんど父の皿によそう。
あとはじゃがいもと人参。玉ねぎはみじん切りで。野菜は小さい。
ごろごろ野菜のカレーを外で食べた時、私は驚いたものだ。
ルーは二種類を混ぜる。隠し味にリンゴとかチョコとか。
よそい方も一人一人好みがある。
右によそうか左によそうか。それとも上からかけるか。
「今日はカレーだよ」と言われても、私は喜ばない子供だったが、面白いもので、今では楽しみだ。
読書会に出るカレーが食べたくなって、読書会にいそいそと出かける。
うちのカレーと思いだしながら食べるカレーににっこりとしてしまう。