わくわくを探しにいくことは自分を探しにいくようなことかもしれない
なぜそんなに、好きなものであふれているのだろう、と思った。
いや。そうじゃない。
なぜ、そんなに、好きなものを探すのが上手なのだろう。
色々な街に、お気に入りのお店がいくつもある。
夫婦でお気に入りのお店に、おいしいものを食べに散歩に出かける週末。
彼女たちだけの、ぴかぴかに輝いた地図がある。
自分の家に、図書室と呼び表す部屋を作っては、お気に入りのものたちと大切に過ごしている。
例えば、切手を集めている。集めるだけではなくて、手紙のやりとりもしている。
パンと紅茶とこよなく愛していて、自分好みのものを見つけては、幸せそうに食事をしている。
見つけにいく。
その一言に尽きるのだろう。
いくつになっても、周りの世界に興味が尽きないこと。
家に閉じこもらずに、わくわくのアンテナのなすがままに出かけていくこと。
自分に対して、自分の好きなものを大切にしていること。
見つけにいくことは、なんて人生をわくわくに染めるのだろう。
堀井和子 「わくわくを見つけにいく」
(2011、講談社)