白と黒の憧れの君
フルオーケストラのコンサートに行った。
楽器ができる人が、うらやましい。
ヴァイオリンもトランペットもフルートもかっこいい。
きらきらしてる。
その中でも、やっぱり私の一等はピアノだ。
白と黒のコントラストのクールさ、鍵盤の質実な重さ。
憧れてやまない。
憧れて憧れて、大人になってから、一年ほどピアノを習った。
弾きたくて弾きたくてたまらなかった曲を、拙いながらもマスターした。
発表会にも出た。指が震えて震えて仕方なかった。
憧れてやまないが、やはりピアノは私の生活には定着せず、趣味にはならなかった。
それでも、生で演奏を聴くたびに、憧れは募るばかりだ。
永遠のアイドルみたいだ。