毎朝の贈り物
いつのまにか、日の出より早い時間に起きる季節になった。
目覚まし時計を止めるとまだ部屋は薄暗い。
日差しを浴びて自然に目覚めないので、冬は目覚まし時計頼みだ。
少しすると、開けたカーテン越しから橙色の強い光が差してくる。
朝日ってこんなに力強いものなのか、と改めて気づくのも、この季節らしい。
夏は暑くて自然に起きてしまうものだから、日の出を拝むのは本当に早起きした時くらいだ。
そのうち、もっと日の出は遅くなる。
実家から遠い勤務場所に通っていた頃は、真冬など家を出る頃にやっと明るくなってきて、水色と桃色と橙色の混じった朝焼けが大層綺麗だなと見上げながら通っていた。
それは、ちょっとした毎日の楽しみだった。