本の世界に入って行く
うちの息子も小さい頃、屏風型のパノラマ絵本を丸く広げて、その中に入って楽しそうに遊んでたよ、とそのお母さんは言った。
膝をついて小さな体をさらに小さく丸めて、自分の四方を取り囲む世界をきらきらと覗き込んでいる自分の子供を想像したら、幸福感でいっぱいになった。
私は仕掛け絵本には明るくなく、飛び出す絵本くらいしか知らなかった。
自由な形にして、どんな角度からも見ることができるパノラマ絵本に初めて触った。
童心に帰って、いろいろな角度から覗き込んでは、広がる公園の風景に感嘆した。
けれど、いくら体を小さくしようにも、子供の目線にはならないんだな、彼らの見ている世界にはいけないんだなとちょっぴり切なくなった。
それにしても綺麗な本だ。
子供向けの本は、なんて綺麗で楽しくて、愛情に満ちているんだろう。
LotharMeggendorfer(ローター・メッゲンドルファー) 「The city park」
(New York、1981)