黄色い手を見せ合って笑っていた小さい子
お蜜柑をおすそ分けしてもらった。
今季、初めての蜜柑だ。
蜜柑らしい酸味がありつつも、ほどよく甘い蜜柑だった。
蜜柑と言えば、母方の祖父母が健在の頃は、畑で採れたものが段ボール箱いっぱいに送られてきたものだ。
その蜜柑は、スーパーで買ってくるような薄い蜜柑色の皮で甘みが強いものではなく、黄色と言いたくなるような分厚い皮の酸っぱい蜜柑だった。
子供の私は、スーパーの甘い蜜柑がやっぱり好きだった。
そういえばこの前、家で夕飯を作っている時お醤油がなくて、どうしても必要だったため手を止めてコンビニに買いに行ったことがある。
お隣さんにちょっとお醤油を借りに行けたらたらな、と思ったものだ。
実家では、田舎からたくさん果物でも送られた時には、お隣さんに持っていくこともあった。
そういったやりとりが、まだ少し残っていた。