父方の祖父は、蒐集家だった。
なんでも集めていた。

そのくせ、時間もお金もかけて集めたものを、ぽいっと人にあげてしまう人だった。
私も幼い頃にもらったはずなのに、今はどこにいったか分からない。

硬貨の蒐集本。日本の硬貨がつまったアルバムのような本。
今見たら、絶対におもしろいはずなのに、あの頃の自分には過ぎたものだった。
昔の硬貨は今のものと全く違ったりして面白かったはずだ。

百円紙幣を母方の祖母にもらったこともあった。
百円がお札で、授業で習った聖徳太子で、子供の私はなんだか無性におかしかったのを覚えている。

そして今、私は何かを集めたい願望に襲われている。
手始めに切手はどうだろう。

本当は、誰かに手紙を書きたい。子供の頃、友達と随分と長い間、文通もしていたんだけれど。
無理のない範囲で。旅先で、切手とポストカードを買って、地域限定の消印を押してもらって。とか。

そんなことを思いながら、おにぎりがあんまり可愛いので買ってしまった。