Top

第二回戸越八幡神社一箱古本市のこと②

神社に向かう前に、二人で懇親会のお店を確認しに行った。

 

ところが。
お店がないのだった。

 

あるはずの住所には、予約したのとは明らかに違うお店があるばかり。
二人で青くなりながら、開店の11時になったらすぐ連絡することにし、神社に向かった。

 

まだ日曜日の8時半だというのに、神社にはお散歩の方や御朱印を頂きに来た方がいて驚いた。
その横で、二人で、まずは八幡様にお参りをした。
戸越八幡神社一箱古本市は、こうして始まる。

 

今回、神社だけでなく宮前商店街の「お米や」もサテライト古本市に使用し、おにぎりも販売する。
神社の会場設置と、お米やの準備にと、二人は分かれた。

 

9時。お米やに握り手の助っ人が到着した。
当初、お米やでおにぎりの販売は予定されていなかったが、実行委員がお世話になっているカフェの店長が助っ人を快諾してくれた。
炊きたてのご飯でおにぎりをにぎっていく。並んでいくおにぎりに、人の縁のありがたさをかみしめた。

 

10時半。神社では、出店者の方々がそろった。
そうして、お囃子の練習する音が賑やかな中で、11時を迎えた。神社の一箱古本市らしい開始だった。
幟の白が、暑いくらいの秋晴れの太陽を反射していた。

 

お米やでは、順調におにぎりが売れ出す横で、出店者の方に持ってきて頂いたお勧め本を並べた。
本の配置に悪戦苦闘している姿に、「でも、楽しそうな顔してるよ」と笑った見守り役のお兄さんの言葉が忘れられない。

 

 

さて、11時だ。懇親会の予約をしていたお店に電話した。
すると、戸越のお店として掲載されていたのに、五反田のお店であったことが発覚した。
五反田は遠い。予約をキャンセルし、慌てて宮司の奥様に相談した。

 

そして、境内で懇意会をすることに決まったのだ。

 

昨日、お店をキャンセルし境内でやるか、とても悩み、結局、今年は見送ることにした願いが、まさかのハプニングで叶ったのである。

 

八幡様からのはからいとしか思えない流れだった。