
買い物は贈り物
迷いに迷って、やっとその店にたどり着いた。
何度も近くを通ったのに、なぜ気づかなかったのだろう。
そんな、住宅街に静かに佇む小さなお店だった。
そんなふうに迷った時から、それは秘密めいて特別めいた。
小さな小さなお店の中には、古本と作り手の見える器や雑貨。
自分の部屋にあったら、にやにやしてしまいそうなものばかり。
そして私は一目ぼれした、アンティークリネンのバックを持って帰ることにした。
店長さんが紙袋にバックを入れてくれる。そして、なにやらごそごそし始めた。
何をしているのかと思ったけれど、紙袋を受け取って、嬉しくなってしまう。
花が咲いた紙袋をゆらゆらさせながら、私は小さなお店を後にした。
APT # 207
神奈川県横浜市神奈川区反町