待ってるから大丈夫
待ってるよ。
と見せかけて、近づくと離れて行ってしまう。
好きな人とか、こととか、夢とかもそうなのかな。
実は、本を全然読まない時期があったのだけれど、その理由は側に人がいてくれたからだった。
と、後からわかった。
自分は満たされていて、別になにも欲しいものがなかった。
本も読もうとしなかったし、服も買わなかった。
それが側からいなくなった途端、ぼろぼろに弱りはてた自分は本に戻って行った。
あんなに読もうとしなかったのに、本を探して動き回った。それに、物欲も復活していた。
どうにかして満たそうとしていたのだ。
そんな自分に本は優しかった。
そっぽを向いていた自分に、なんのわだかまりもなくその頁を開くのだ。
当たり前かもしれないけれど。
でも、本はそんな奴だ。