ニホヘトはふふふ
一人暮らしを始めた時に決めたことは、少ないもので暮らそう、だった。
と言いながら、本は増える一方だけれど。えへ。
ただ、自炊派だけれど台所用品は少ない。
筆頭は、炊飯器がない。重たい鍋で炊いている。
やかんもない。片手鍋で沸かす。
食器も白いお皿が三枚と味噌汁用のお椀だけ。作り置きが多いから、琺瑯の保存容器がいくつか。
ポテトサラダは、コップの底でつぶしたじゃがいもで。
でも、やっぱり欲しいなと思うものは多い。
地味だけれど、鍋つかみが欲しい。いつもキッチンクロスを巻いて横着してしまう。
そんな鍋つかみ、洗いざらして硬くなったバスタオルと(ちょうどそんな子がいる!)と、染みがついたりしたキッチンクロスで作れるという。
イロハは大切な約束事だけれど、ニホヘトは素敵な覚書。
自分で縫った鍋つかみを台所に吊るそう。
伊藤まさこ 「家事のニホヘト」
(新潮社、2012)