見に来て、と呼んでくれたのかもしれない
仕事中、自席から顔を上げて遠くのブラインドが下りた窓を見やった。
ブラインドの隙間から夕焼けが零れていた。
綺麗な紅だなと思って、なんとなく席を立って休憩室に向かった。
そこの窓からなら、そちら側の空が大きく見えるからだ。
驚いた。虹が出ていた。
虹なんて久しぶりだ。
仕事にぐったりしていたけれど、途端に元気が出てうきうきした。
外に出てちゃんと見たいなと思って、急いでビルを降りた。
けれど、あっというまに消えてしまった。
夕焼けだなと思っても、わざわざ見に立ったりすることもないのに。
不思議だ。虹が見られて嬉しい。