餃子の包み方
先日、知り合いのお店で餃子を自分で包んで食べた。
家庭的でありながら、お店の味がプラスされた餃子はとてもおいしかった。
餃子を包んだのは子供の頃以来。
思春期に入る前、まだ台所に立つ母に興味深々だった頃、私もよく「お手伝い」をしていたものだ。
その手伝いの中で、お米のとぎ方、人参の切り方、お茶の入れ方を覚え、そして餃子を包んでいたことをよく覚えている。
どんな包丁だったかとか、まな板の焼き印とかも。
母は専業主婦だったため、実家にいた頃はろくに家事の手伝いをしていなかったが、いざ一人暮らしを始めて家事の一切を自分でやるようになった時、その土台になっていたのは子供の頃の「お手伝い」の記憶だった。
きっと、気付いていない土台はもっとあるんじゃないかと思う。
封筒の宛先を「御中」に直すとか、家に上がった時は靴を揃えるとか、お葬式の香典は旧札でとか。
そして、家を出る時に、母の得意料理のレシピを教わった。
私もいつか、そんな土台を子供に作ってあげることを夢見ている。